33人が本棚に入れています
本棚に追加
そして訓練が始まった。私と氷川はトップバッター。
だが氷川は私を無視し、凄まじい量の氷を出した。市民マトも建物も道路も巻き込んで。
これだけで相当な減点だ。しかも犯人ロボットはロンダートで回避。私は追いかけようとしたが、氷で滑って市民マトに突っ込む。
大失敗だ。氷川は鼻を鳴らし、ドスドス足音を立てて友達のところへ戻ってしまった。まるでお前のせいだと言いたげに。
最悪だ。また男子が怖くなってきたかもしれない。だって今までの人生、こんなことばっかりだったから。
その後先生のフィードバックが。
「穂村は市街地で異能が使えない。身体能力の底上げと、サポート力を身につけろ」
「加賀は一般人に当てないように」
「針ヶ谷は生身のままでも動けるように」
「御霊は良好。倉雲もよし」
「雷門は……雷撃の強さを調整しろ。停電はまずいからな」
「氷川は池亀と連携しろ。無闇に異能を使うのもやめろ。下手すりゃ凍死させるぞ」
すると氷川は私を睨んだ。だが先生にまた怒られる。
「人のせいにするな。これが本番なら人が死んでいた」
ふと鋭い視線を感じた。穂村と加賀と鈴音が、氷川を睨みつけていた。御霊と倉雲はオロオロしている。
最悪の空気のまま、授業は終わった。
最初のコメントを投稿しよう!