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鈴音は用事があるとのことなので、私1人で寮に戻った。談話室で氷川とばったり遭遇。
正直会いたくない相手だ。男子への緊張が7割ぐらい戻ってきた。
「池亀さん」
水色の透き通るような髪、長いまつ毛。黙っていたら相当モテると思う。でも氷のように無表情。
「さっきはごめん」
そして表情と不釣り合いな謝罪。
「別にいいけど……」
どうせ倉雲と御霊に謝りに行けって言われたんだろうな。すると氷川は思わぬことを。
「御霊のこと、庇ってたよね」
「それは人として当たり前だし……」
まつ毛まで水色だ。瞬きするたびにバサバサと動く。
「そんな慈悲深い池亀さんに聞くね。僕の女嫌い、治せると思う?」
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