33人が本棚に入れています
本棚に追加
「嫌な予感がしてさ……またベランダにいる!」
「おいあいつ、次は何しでかすつもりだよ!」
「あれ誰の部屋? 出席番号的に……針ヶ谷だよな!?」
「またってなんなの!? レナちゃん前科があるの!?」
「窓ガラス割ったらどうすんだよ!」
「そういうことか。友達思いのいいヤツだよな」
♦︎♢♦︎♦︎♢♦︎♦︎♢♦︎♦︎♢♦︎♦︎♢♦︎♦︎♢♦︎
『大丈夫?』
真っ赤な血文字が窓を伝う。鈴音から見えるようにミラーに。すると物音に気付いたのか、鈴音がカーテンを開けた。
しばらく鈴音は、窓の前に立ち続けていた。そして水晶みたいな目から、涙がポロポロと。
「レナ……助けて……」
「私でよければ話聞くよ。友達でしょ?」
鈴音は窓を開け、泣きながら私の胸に飛び込み……。
「レナちゃーん! 何してんの!」
可憐がベランダをよじのぼり、侵入してきたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!