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やっぱりキレちゃった☆クソが!
私たちは大部屋1ーRへ。自主室1は狭すぎるから。
「おい、市街地ホログラムのスイッチ見張っとけ。どっかのゴジラ女がやらかすかも知れねーぞ」
鈴音はパイプ椅子に座っている。いつもより小さく見え、目が真っ赤。
そしてポツポツと語り始めた。
「あたしの母親もおかしい人だった。キレると手がつけられなかった」
やっぱりそうだった。倉雲と氷川だけが冷静で、他のみんなは狼狽している。
「トレジャーランドの映画一緒に行った帰り道、いきなりキレられたんだ。それで家に帰って散々殴られた。だからあの漫画大嫌い。嫌なこと思い出すから」
どうしよう。当たり前のようにトレランの話してた。鈴音は知らなかったんじゃない、嫌な記憶と結びついてるだけだった。
ママの話もしちゃったし、部屋には入学式の家族写真が飾ってある。だから相談してくれなかったんだ。
「でも頑張ったよ。人前じゃ笑顔で、誰にでも優しくして、泣いたり怒ったりもしないで……」
「それでナチュラル不機嫌な僕が許せなかったし、最終的に『あの程度で虐待?』とか言っちゃったんだね」
氷川が締めくくる。
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