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「毒親育ちが集まるサイトに、針ヶ谷さんみたいな荒らしいたな。同類なんじゃないのってレスしたらすごいキレててさ」
「ごめんね氷川。なんの言い訳にもならないよね」
鈴音の声は小さく震えている。氷川は首を振る。
「いいよ、僕よりはマシでしょ。なんでそんなに無理してたの?」
「帰る場所がないからだよ。部活の帰り、みんなと別れて1人になって……その最後の5分が怖かった。機嫌悪かったらどうしようって。
無理するしかないでしょ。学校に居場所がなくなったら終わりだもん」
私と逆だ。家に一歩近づくたびに、地獄から抜け出したような気持ちだった。家に帰ればママがいたから。
「ここに来たのはバトルが好きだからだけど、もう家に帰りたくなかったから」
倉雲と氷川も俯いている。
「でも頑張っても結局こうなったし、スタートがダメならきっと全部ダメなんだよ。どうせあたしなんか幸せになれない……」
私の大切な親友が、明るくて大きな存在が、パイプ椅子の上で小さくなっている。
会ったこともない鈴音の母親に、凄まじい怒りが湧いてきた……。
「ヤバくね?」
「池亀絶対キレるだろ」
「レナちゃんめっちゃプルプルしてる」
「波動用意しとくわ」
「この人マジでなんなの……」
「ふふふ、やったれエマーチェンジ」
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