本音はだいたい聞くに耐えない

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「ちょっとノイズ先生のところ行ってくるね! とりあえず解散!」  各自思うところもあるだろうけど、まずは退学を阻止しないと。私は職員室に走った。 ********** 「事情は聞いたぞ針ヶ谷。あと池亀は窓から入ってこないでくれ……」  自習室1が広く見える。3人しかいないから。私とノイズ先生と鈴音。さっきメールで呼び出したのだ。 「退学届を出す前に、いろいろ話してくれないか」  でも鈴音は無表情。私はホワイトボードを出す。 「特にないです」 「そうか。じゃあ質問タイムだな。今までどうやって生きてきたんだ」 「明るく振る舞ってました」 「つまり?」 「家に帰りたくなかったし、学校に居場所がなくなったらそれこそ終わり。だから明るい子でいなきゃって」  鈴音の本音が溢れ出す。 「それに恨み買わないように、色々な人に優しくしてました。誰にでもいい顔してたんです」  でもレナたちのことは本当に友達だって思ってるからね。潤んだ目が私を見つめる。
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