本音はだいたい聞くに耐えない

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「そもそも生まれ自体がゴミなんです。  友達の彼氏を奪って、生まれたのがあたし。だからあの女は勘当されて、友達無くして孤立して……そのストレスを全部あたしにぶつけてたんだ」 「クソ親が! ぶっ殺してやる!」 「ひどいな。自分のことしか考えられないヤツは親になるべきじゃない」 「また手錠かけられた! クソッタレ!」 「あたしは最初から愛されてなんかいなかった。略奪愛の道具でしかなかった。あの女が欲しいのはサンドバッグと奴隷だった」 「じゃあ私が愛してやらあああああああ!」 「手錠かけられてなきゃ名言だな池亀。父親はどうしてたんだ」 「今頃殴られ役を担ってるはずです。もともと優柔不断で頼りないし、母親の次ぐらいに嫌いだからどうでもいいです」 「ホイホイ略奪される男なんかゴミに決まってんだよ!」 「BGMがやかましくてすまんな。そんな親捨ててしまえ。家に帰らなくていいし、親孝行なんかしなくていいんだからな」 「ありがとうございます。でも明るい子でいることはやめられない。学校での立場が悪くなっちゃうから。帰る場所がないのに……逃げるところなんかないのに……」 「学校なんか絨毯爆撃しろ! 児童虐待施設だろあんなもん!」 「あのなあ池亀、気持ちはわかるが落ち着けバカタレ。  いいか針ヶ谷、貴様は1人じゃないんだからな。私も池亀もついてるぞ」  白い部屋で、鈴音が鼻を啜る音だけが響いた。
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