33人が本棚に入れています
本棚に追加
「そもそも生まれ自体がゴミなんです。
友達の彼氏を奪って、生まれたのがあたし。だからあの女は勘当されて、友達無くして孤立して……そのストレスを全部あたしにぶつけてたんだ」
「クソ親が! ぶっ殺してやる!」
「ひどいな。自分のことしか考えられないヤツは親になるべきじゃない」
「また手錠かけられた! クソッタレ!」
「あたしは最初から愛されてなんかいなかった。略奪愛の道具でしかなかった。あの女が欲しいのはサンドバッグと奴隷だった」
「じゃあ私が愛してやらあああああああ!」
「手錠かけられてなきゃ名言だな池亀。父親はどうしてたんだ」
「今頃殴られ役を担ってるはずです。もともと優柔不断で頼りないし、母親の次ぐらいに嫌いだからどうでもいいです」
「ホイホイ略奪される男なんかゴミに決まってんだよ!」
「BGMがやかましくてすまんな。そんな親捨ててしまえ。家に帰らなくていいし、親孝行なんかしなくていいんだからな」
「ありがとうございます。でも明るい子でいることはやめられない。学校での立場が悪くなっちゃうから。帰る場所がないのに……逃げるところなんかないのに……」
「学校なんか絨毯爆撃しろ! 児童虐待施設だろあんなもん!」
「あのなあ池亀、気持ちはわかるが落ち着けバカタレ。
いいか針ヶ谷、貴様は1人じゃないんだからな。私も池亀もついてるぞ」
白い部屋で、鈴音が鼻を啜る音だけが響いた。
最初のコメントを投稿しよう!