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「ふーん」
氷川と倉雲だった。そして氷川は、誰もが納得する発言を。
「戦闘狂が何言ってんだか」
「確かに!」
鈴音は無言で無表情。茶番が滑ってしまい、私も氷川も赤面。
「あのさー、陽キャなんかやめちゃえばいいじゃん。もし僕が針ヶ谷さんと入れ替わったら、1日で過労死するよ。陽キャも大変だね」
倉雲は何も言わないが、チョコを鈴音のポケットに入れた。鈴音は齧りながら聞いてくる。
「逆に氷川と倉雲はどうして明るくしなくても平気なの?」
「他に選択肢がなかったから。だからクズ野郎になるしかなかったわけよ」
そう。氷川は母親に遊びを全部禁止されてたから、そもそも友達を作れなかった。
「俺はそうだな……何も悪いことしてないんだから、やりたいようにやって何が悪いんだって思ってた」
倉雲は私の横に座った。結構狭くなる。
「針ヶ谷は王道を歩く才能があったから、やめ時が見つけられないんだろ。俺と氷川にはない才能だ」
「あと私にもね」
でも鈴音は顔を覆う。
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