王道に背を向けるにも才能がいる

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「そうか。貴様もいいこと言うな」  その後、自習室1にノイズ先生を呼び出し、諸々の報告をした。先生はニコニコと頷いている。 「自分が歩ける道こそが王道、この名言はパクらせてもらうぞ」 「どうぞどうぞ! ところで、もう7人も友達できちゃいました!」  先生は拍手。 「その調子だ。中間目標はクラスの半分の異能をコピーすることだ。あと1人で目標達成だな」  そんな目標も立てたっけ。じゃあその記念すべき8人目は誰にしようか。誰の異能も魅力的だけど……。 「もう私の助けは必要ないな。健闘を祈るぞ、エマーチェンジ」 「はい!」  私は元気よく返事をした。でも実は1人だけ、関わりたくない人がいる。  先生にも誰にも言ってないことだけど、その人は元クラスメイト。そして小さな因縁がある。  その名は、雷門響(らいもんひびき)ちゃん。私は先生にお辞儀をして、自習室1を飛び出した。
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