私はコピー異能が使えたみたいです

3/6
前へ
/254ページ
次へ
 残酷な真実。先生は聞こえなかったのか、審判ロボットの肩を叩く。 「ロボット君、例のものを」  すると審判ロボットは、お腹から黒いネクタイを出した。 『ドーゾ』 「触れてみろ」  あれ、ネクタイが黄緑色に。 「面白いだろ? 昔を思い出すよ。私と同じ(むし)属性か。異能バトル科はみんなこのネクタイをするんだ」  虫属性のカラーは黄緑色。4歳で診断されたっけ。 「では入学式で会おう。またな、未来の異能師(いのうし)さん」  私は軽くお辞儀を。 「今日はありがとうございました」  フィールドから出ようとした私に、ノイズ先生は声をかけた。 「もっとはしゃいでいいんじゃないか? 合格したんだぞ?」  一体私はどんな顔をしているんだろ。 「そうですね。お疲れ様でした」  私はノイズ先生にもう一度お辞儀をし、さっさと試験会場を出た。    ノイズ先生の視線が背中に刺さった気がする。気のせいだろうけど。
/254ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加