33人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ずっとあんなこと言われてたのか?」
言いたくないな。こういう時は茶化すしかない。
「まー9年くらいあんな感じでしたね。でも私本当にキモかったからさ。高校デビューだよね!」
でも加賀は真剣だった。
「それ笑い事じゃねえだろ。お前はもっと怒れよ」
そうなのかな。自分の味方がたくさんいるのが信じられない。でもそれが普通なんだよね。ずっと忘れてたけど。
「そうだ私ね、目標立てたんだ。困っている人がいたら、その人のために何かをするって」
「そりゃいい話だな」
「加賀のおかげで人助けのやり方がわかったよ。だから戦えない人の代わりに戦うことにする」
「そうかよ」
「それにいつか加賀が困ったら、助けに行くからね!」
「そんな日が来るかは知らねーけど、せいぜい頑張れや」
ん、待てよ。大事なことを忘れてる気がする……。
「映画もうすぐじゃね?」
「ヤバ! 行こう」
今度は私が加賀を引っ張る番だった。
最初のコメントを投稿しよう!