イケメンにイケメンムーブかまされました

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イケメンにイケメンムーブかまされました

 気づいたらベンチがたくさんある場所に来ていた。  ほら、ショッピングモールにはよくあるでしょ。屍と化したお父さんが荷物と一緒にくたばってるあの場所ね。  死んだ目のおっさんに囲まれ、私たちはベンチに腰を下ろした。まずはお礼を言わないと。 「ありがとね」 「大丈夫か。なんか顔変だぞ」 「……よく私をかばう気になれたね」 「かばうに決まってんだろうが! 俺は許せねえよ! お前はいいのかよ!」  屍おじさんたちが急に復活し、なんだなんだと身を乗り出してくる。みなさん他人のトラブル好きっすね。  そりゃ加賀が激怒するも無理ない。客観的に見て不快だもん。でもどういうわけか、私の心は落ち着いていた。 「今は鈴音もいるし、穂村もいるし、加賀もいる。だから怖くないよ」  しかし義務教育フィルターが取れると、本当にしょうもないヤツだった。よくクラスのトップ取れてたよな。 「ああいうことあったから、俺のことも最初警戒してたのか」  コミュ障はバレていたか。まあバレバレだよねあれじゃ。 「あれはほんとごめん……男子全般が苦手ってだけ」 「その割に穂村とは仲良いよな。御霊にも氷川にも話しかけてただろ」 「それは……聞いてもいい?」  1つだけ知りたいことがある。 「加賀から見た私ってどんな女の子?」    男子からの評価はダサいキモい地味ばかりだった。色々と頑張ってきたけど結果は出てるのかな。すると加賀は私から顔を背けた。 「別に普通じゃねえの。穂村は可愛いって言ってたけど」
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