『オイディプスの刃』など

1/4

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ

『オイディプスの刃』など

★赤江瀑『オイディプスの刃』2019年、河出書房新社 赤江瀑はとてもとても好きな作家で、私は彼の文体に酔う。中毒になる。本当にずっと読み続けてしまう。ずっと。電車で読むのが、危険な作家だ。 短編が多い作者で助かった。超長編なんてものを好んで書く人だったら、私は寝食をリアルに忘れてしまうところだった。 この本は長編。刀と香りと、男と女と、男と男のミステリ。ラベンダーの香りとともに、読むと良し。 この本は、私の中に長く棲むでしょう。 ☆『BRUTUS 珍奇鉱物 2023年6月1日号』マガジンハウス 市川春子さんの『宝石の国』が好きだが、いつまで待ってもアニメの二期が始まらない。いったい、どういうことなんだ。などと考えながら読んでいたかは覚えていないが、鉱物ってすごいな、とは思っていた。生きてるみたいだ。生きてるって言ってくれ、そんな気持ちで読んでいた。 ★川端裕人『ドードーをめぐる堂々めぐり――正保四年に消えた絶滅鳥を追って』2021年、岩波書店 ドードーはハト科で、そして私はハトがものすごく嫌いだし、怖い。だけど、ドードーは好きだ……いや、でも絶滅してるから好きなんだろうなぁ。まだ生きていて、例えば現代日本におけるハトのように、我が物顔で道路を歩いてたら、たぶんものすごく嫌いになってたと思う。なんにせよ、ドードーや絶滅動物に興味がある方はぜひ読んで欲しい本。 ☆古泉迦十『火蛾』2023年、講談社 Twitterで知った本。これ、めちゃくちゃ良いです。ミステリーだが、ミステリーと言い切って良いのかどうか……メフィスト賞だ! って感じの本です。私のように森博嗣が好きな人はたぶん好き。しかし、森博嗣は多作だが、この方は寡作だ。復刻ありがとう、情報を教えてくれたTwitter民、ありがとう。 ★近藤喜博『日本の鬼 日本文化探求の視覚』2010年、講談社 鬼というか、まつろわぬ民というか、神話や伝承で敵役になる存在は興味深い。高校のとき、延々と高田崇史さんの『QED』シリーズを読み続けていたからか……時折、こういった専門的な本を読みたくなります。 そういえば、『QED』シリーズ、本編が完結したの、2011年だということにびっくりしました。マンガ版のタタルさんがイケメンで、謎に腹が立った記憶。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加