『オイディプスの刃』など

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☆赤江瀑『天上天下 赤江瀑アラベスク1』東雅夫編 2020年、東京創元社 久しぶりに凄まじい赤江瀑熱が湧いたので、購入してからまだ一度しか読んでいない赤江瀑アラベスク全三冊を引っ張り出した。 この本は長編三つとエッセイをいくつか集めているのですが、再読したら『海峡――この水の無明の眞秀ろば』が突き刺さって抜けなくなった。 破片Hの一章句が心臓に刺さっている。 『恋うる夜は  ひっそりと悪魔を焚いて充溢れている  そのことが信仰です』 ★赤江瀑『罪喰い』2016年、小学館 まだ赤江瀑熱がじゅわじゅわと燃えていたので買いに行った。山尾悠子さんが赤江作品ベストに選んだ『花夜叉殺し』や『罪喰い』が収録されている。 案の定、溺れるように読んでしまい、『花夜叉殺し』を読み終えた後はしばらくボケており、何度も何度も無意味にページをめくるという事案が発生した。 赤江の男はエロくて陰惨なんだ。 ☆乙一『夏と花火と私の死体』2000年、集英社 私はなぜか乙一作品より先に山白朝子作品に触れている。 『夏と花火と私の死体』はあまりに有名すぎて、私がお小遣いで本を買うようになったときからずっと、夏になると文庫コーナーに並んでいたから、逆になんだか読む気がしなかったのかな……でも、この作品は大人になってから読むのも良いね。結末がどうなるか、わくわくしながら読んじゃったな……。 ★藤木稟『バチカン奇跡調査官 秘密の花園』2022年、角川ホラー文庫 バチカンの神父ふたりが本物の奇跡か否かを鑑定するというシリーズです。私はロベルト神父推しです。 長いシリーズだけど、これ最終的にどう終わるのかな……さらさらとした文体で読みやすく、そしてキャラクター小説としても素敵なので、終わってほしくないが……でもどう着地するかはめちゃくちゃ知りたい。シリーズもののジレンマ。 ☆塚本邦雄『珠玉百歌仙』2015年、講談社 歌集は読んだことがないのに、小説とこのタイプの和歌評論(というジャンルなのか?)は好んで読んでいる塚本邦雄。和歌をオシャレに現代訳するのも好きなんだけど、訳さずに音の感じ、言葉の並びで楽しむのが好きです。 和歌ってなんとなく読んでも美しいんだ。
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