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『魔法のランプ』など
★澁澤龍彦『魔法のランプ』2023年、小学館
澁澤龍彦は知識の守備範囲がとても広い。
フランス文学が専門、ということで良いと思いますが、絵画も詳しいし、日常の話も面白いし、とにかく読んでいて楽しい。
今回のだと、坊ちゃん刈りから坊主に転向した話が、ちょっと可愛くて好き。
☆チャールズ・ブコウスキー『郵便局』2022年、光文社
ダメ人間が労働する小説です、労働、労働、ひたすら労働。
郵便局しんどい、上司が嫌なヤツ。でも、悲惨な雰囲気の小説ではない。むしろなにか強い気持ちになる小説というか、痛快な読後感。
「ちくしょう!!!」って感じた時にどうでしょう?
★赤江瀑『魔軍跳梁 赤江瀑アラベスク2』東雅夫編 2021年、東京創元社
こちらには山尾悠子さんが愛されている短編、『花曝れ首』が収録されています。私が初めて赤江瀑を知ったのも、この短編からでした。
例えようもなく艶やかで、哀しく、美しい短編。
『好いた男と見る修羅や。落ちる地獄や。おちとみやす』
☆東雅夫『日本文学大全 日本幻想文学事典』2013年、筑摩書房
日本の幻想文学を知るならここから。安心安全の東雅夫さんが手掛けております。泉鏡花のページ数がすごい。久しぶりに鏡花を読みたくなりました。新しい本を探したいときに、どうぞ。幻想文学とはなんぞや、という方もどうぞ。パラパラめくるだけでも面白くて、休み中にずっと読んでいた。
☽川野芽生『月面文字翻刻一例』2022年、書肆侃侃房
この人の言葉には重力を感じる、地球と同じ重力であったり、月と同程度の重力だったり、未知の星の重力だったり、その大きさにはバラツキがあるが、確かに重力を感じる。私たちが宇宙を征服するより先に、きっと月や星は地球に墜ちてくるだろう、と信じられる重み。
ほぼ掌編しかないが、読み応えたっぷりだ。またいつか読み返そう。
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