『魔法のランプ』など

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☆アキフ・プリンチ『猫たちの聖夜』イケダ香代子 訳 1996年発行、早川書房 職場の人に借りた本。猫好きに自信を持ってオススメ……はできない! 連続殺猫事件を、猫たちが解決するミステリー。人間の醜さ、残酷さもたっぷり書かれているので、明るい気持ちにはなりません。でも、語り手の猫のシニカルな口調や、個性豊かな猫たちの描写は楽しい。 愛猫家さんは最初にあらすじを読んでみて、いけそうだったらどうぞ。 ★永井路子『北条政子』2021年新装版 文藝春秋 大河ドラマ『鎌倉殿』を見ていた人も見ていない人も、北条政子の名前は知っているでしょう。 女として、母としての政子を書いた作品で、この政子には女傑の雰囲気はありません。 そして、なにより「ここで終わるの!?」と驚いた最後の1ページ……それは嫌な驚きではなかった。哀しい余韻が残る驚きだった。 🍄高原英理『日々のきのこ』2021年 河出書房新社 きのこは結構好きだ。冷凍しとけば保つし、鍋にもカレーにも味噌汁にも使える。エリンギやエノキやマイタケなんかは、安価だし。また、食材としてだけではなく、生物として見た場合も不思議な魅力的に溢れている。きのこ図鑑、たくさんあるよね。 そんなわけで、この本はきのこ幻想文学です。面白かった。 ☆京極夏彦『地獄の楽しみ方』2022年、講談社 これも職場の方に借りた本。京極先生の講演をまとめた本(15~19歳向けの特別授業だったらしい……参加できた人たち羨ましいなぁ)。先生の過去作を知っている必要はないので、さらっと読める。この現実、地獄を生きていくときのお供に。 ★赤江瀑『妖花絢爛 赤江瀑アラベスク3』東雅夫編 2021年、東京創元社 赤江瀑の文体の力って凄まじいんだ。 どうして、あれほど妖しく美しい文を書けるのか。しかも、読みやすい。 澁澤龍彦も読みやすいが、あの人の文はもっとさらっと乾いているんだよなぁ。とにかく赤江瀑、大好きな作家です。絶版が多いからもっと復刊してください……出版社の偉い人に届け、この叫び。
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