『富士日記』など

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★武田百合子『富士日記 上』 2019年、中央公論新社 本を読む店『fuzkue』店主、阿久津隆さんの『読書の日記』で登場して、気になっていた。日記やエッセイが面白いという感覚は、大学時代にちくま文庫の『澁澤龍彦』を読んでから急に芽生えたものだと思う。 富士山荘(富士湖畔に作った別荘、家は赤坂のアパートらしい)での暮らしを綴っている。 私は昭和を知らないが、知らないからこそ百合子さんの文が気持ちいい。 ☆ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』中野好夫 訳 1958年、岩波書店  地獄だ。 薄い本の中に、確かに地獄がある。 描写が残虐なわけではない、はず。なのに確かに地獄だと思ってしまうのはなぜだろう。 言葉が耳の奥にこだまする。 そっと心が暗くなる。 だけどきっと、いつかまた読む。 ★最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』2023年、パルコ出版 渋谷PARCOでの最果タヒ展を思い出す。帰りに、スクランブル交差点のスタバで、抹茶ラテを飲んだ。 クリスマスが近い時期気だった。渋谷のロフトの、スノードームの陳列が美しく、私はだからクリスマスや冬が好き。 凶器が降ってくる、冬、冷たくて、美しい。 ☆最果タヒ『夜空はいつでも最高密度の青色だ』2016年、リトルモア 何回読み返してもいい。夜に読んでいる。社会人になりたての頃に、遅番で上がった後、最果タヒの詩を読んでいた。 冒頭の『青色の詩』は私にしては珍しいことに、暗唱できそう。そもそも青色が好きだから。 青は私から遠い色だから好き。 ★ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』高野優 訳 2013年、光文社  ヴェルヌってこんなに面白いんですか……主人公は一級フラグ建築士である。 地球の中心に行きた過ぎるおじさんと、なんでもできるスーパー現地人とともに、地球の底へ底へ潜っていく。ひたすら楽しい。そうはならんやろ! の連発である。科学的に正しいとかは一切考えずに読みたい。
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