『仮面物語』など

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☆松岡正剛『性の境界』2023年、KADOKAWA SNSで見かける自称活動家さんたちが、とても苦手で、彼らの文章を見ていると苦しくなる。多様性ってなんなのでしょうか。生きにくい。 私は、自称活動家さんの文章がとても恐ろしいです、攻撃的で、独善的で、読みたくない。 松岡さんが紹介する本は、この恐ろしい現実を『考えていく』ために、必要な本たちだと思う。まずはここから読んでいこうと思える。 ★最果タヒ『好きの因数分解』2020年、リトルモア 詩人が好きをぱらぱらと解いていく、この本がとても好きで、もう何度も読み返している。ミッフィーや紫陽花やマックグリドル、この本を読むと、私も自分の『好き』を解きほどいていきたい気持ちになる。 ☆シーボルト『日本植物誌 本文覚え書き篇』監修・解説:大場秀章 訳者:瀬倉正克 2007年、八坂書房 無性に植物の本を読みたい時期だったみたいだ。シーボルトって、しっかりと日本の植物を勉強していたんだなぁ。 スギについて綴った文がとても長く、情熱を感じた。当時は花粉症なんてなかったんだろうか。 ★澁澤龍彦『暗黒怪奇短編集』2013年、河出書房新社 立ち寄って書店で、河出書房の在庫僅少本フェアが行われており、そこで無事に手に入れた本。ちょうど山尾裕子の『仮面物語』に引用されていたジャン・ロラン『仮面の孔』も収録されていたのですごく幸せな偶然。 一番好きなのはシュペルヴィエル『ひとさらい』かなぁ。しょうもないおじさんの話、と言えばそうなんだけれども。 ☆サン=テグジュペリ『夜間飛行』二木麻里 訳 2010年、光文社 『星の王子さま』以外読んだことがなかった……透明を凝縮したような文だった。飛行機乗りたちの雄姿が書かれているのに、静かに、夜の空を、或いは夜明けの空を、眺めているような、そんな心地。 読んで良かった。
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