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☆サラ・ピンスカー『いずれすべては海の中に』市田泉 訳 2022年、竹書房
表紙からして幻想的な本。短編集。
SFと幻想小説のはざまをゆらゆらしている感じの読み心地。私はブラッドベリを感じた。
一番好きなのは表題作ではなく、男でも女でもない子が主人公の、セイレーンの話が幻想度高めで、美しくて、さびしげで、好きだった。
★紫式部『源氏物語 2』角田光代 訳 2023年、河出書房新社
源氏、いろいろあって都落ちの2巻。ほんとにさらさら読めてすごい……これは54帖分の現代語訳、読破できるんじゃないかな!
源氏のお兄さん(ただし母親が違う)の朱雀帝、とてもお優しく、なおかつ不憫属性をお持ちでとても好きなんですけど、彼に関する本とか探したら出ていませんかね。
※朧月夜という朱雀帝の寵愛を受けた女性がいます、この人は源氏とも恋愛関係にあります。で、朱雀帝が怒ったかというと……「心が通じ合うのもおかしくない二人だし」と怒らない! 怒っていいよ!?
☆間武『日常を袋詰めにして、海に捨てた罪』2009年、コシーナブックス
三行詩。本屋で見つけて衝動買い。
タイトルがいいですね。ちなみに私は夢野久作も好きだがドグラ・マグラは読んだことがない、そのうち読もう。
詩は、『俺』と『おまえ』の艶やかな絡み合いが中心。男と女の肉体が瞼の裏にちらつく、たった三行で情景が浮かぶ。どきどきする。
★ラテン語さん『世界はラテン語でできている』2024年、SBクリエイティブ
私はラテン語=学名の人間でした。
だから、ラテン語のニュースがあったり、ラテン語を話すコミュニティがあったり、いろいろと知らない話がたくさん出てきて、飽きることなく読めた……文法がどうちゃら、って話じゃなくて、ほんとにラテン語の世界に誘ってくれるような書きっぷり。
あと、ヤマザキマリさんと著者の『ラテン語さん』さんの対談が載っていたのですが、話者が『ヤマザキ』と『ラテン語』になっていてツボりました。
ヤマザキマリさん、ついにラテン語そのものと会話をできるようになった……?
☆『新短歌教室の歌集 1』2021年、ナナロク社
転職が決まって、仲の良い先輩からプレゼントいただいた本。
先輩は「短歌は癒される」と言っていて、それはとてもわかる、と思った。
詩や短歌を読み始めたのは社会人になってからで、それは長い小説や専門書を読むにはどうも心も体も疲れている日が多かったから、かもしれない。
短くて豊かな言葉たち、疲れ切った夜やどしゃぶりの雨の日の癒しとして、私の中でとても、しっくりくるんだ。
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