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『誘惑者』など
★高橋たか子『誘惑者』2019年、小学館
自ら、命を絶つこと。
考えたことがないかと言うと、当然、ある。
主人公は、自殺幇助をしてしまった女性。
じっとりと、主人公の内面がしみ込んできて、だけどその内面に連れていかれる感じはなく、哲学書のように読めた。ほどよく淡泊。
なんだか、雪の日に読みたい。
(明らかに澁澤龍彦モチーフの登場人物が出てくるけど、著者の方、澁澤とマンディアルグを共訳してらしたんですね……!)
☆間武『痴夢』2011年、コシーナブックス
書店で一目惚れした三行詩集。
艶やかで退廃的なのに、大人の恋愛というよりは少女の、甘くて苦い恋愛を思わせる詩が多いな。きっと、少女の相手は年上だろうなぁ。
『正しい速度で進む時だけ
心地よく、恋は揺れる
それでふたりは、大抵眠い』
⚡最果タヒ『落雷はすべてキス』2024年、新潮社
発売から少し寝かせて読み終えました。やっぱり夜、寝る前に読むのが好き。
私はタヒさんの詩を優しいと思っている。ねっとりとしていない優しさ。家族や友達から受ける優しさではなく、すれ違った人から受ける親切みたいな、そういう優しさ。
『満月の詩』が短く簡潔でそして美しかった。『薔薇』では前作のタイトル『さっきまでは薔薇だったぼく』が登場して、嬉しくなる。
タヒさんの著作のタイトルは全部、パンチラインなんだよな。
★阿久津隆『読書の日記 皮算用 ストレッチ 屋上』2023年、NUMABOOKS
阿久津さんの鈍器読書日記、6冊読破したぞ……!?
最後の最後、スタッフの山口くんのことが心配になってしまって、Xでアカウントを探してしまった。お元気そうでした。
いったん、発売されている分の『読書の日記』は読み終わったので、次の発売日を待ちながら、たまに『fuzkue』にお邪魔しようと思います。
♡最果タヒ『恋できみが死なない理由』2023年、河出書房新社
2023年の年末前には読了したが、爆速で再読了。最果タヒの文にとことん溺れたいときもあるのだ。中毒性がある気がする、発作的に読みたくなることあるからな。
収録されているエッセイの中で、特に好きなもののタイトルを挙げてみる。
『二度寝の代わりの朝マック』『言葉は悪人になったほうが書きやすい』『さみしさの稲穂』『ブルべの恋♡イエベの愛♡』『大丈夫、嫌いだよ。』『神様の白髪東京の流星』『タクシーの窓から』。
なんだか中毒性ありそうでしょう?
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