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「これを見ればわかります」
俺は持参した遺言書を渡すと『馬鹿な』と・・・。
『いくら息子夫婦が亡くなっているからといっても、おじさんの兄妹である俺達にもあっていいんじゃねぇの?』
「そうかも知れませんが、葬式にだって来ませんでしたよね?」
『それは・・・』
「婆ちゃんが死んだ時、いろいろあったから爺ちゃんは先を考えて準備してました」
・・・婆ちゃんの時も付き合いがなかったのに、兄弟が出て来て揉めていた。
だから爺ちゃんは俺が困らないようにしてくれたんだ。
『いくらお袋が亡くなってても、甥の俺に相談があっても・・・』
ブツブツ言っている。
『北条の娘と付き合ってるなら、多少、現金でわけてくれよ』
俺が困ってると爺さんが『遺言書もあるんだ。弁護士さんに相談したらいい』と助け船を出してくれた。
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