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正確には名乗り出た者達もすぐに“でっちあげ”がバレて、激怒した彼と彼の手の者に殺害されたのだ。
次第に、人々の間には噂が流れ始める。本当に、この世界から致命的なものがなくなってしまったのではないかと。大統領は本気でそれを取り戻そうとしているのではないかと。
屍が積み上がるにつれ、人々の中には本当かどうかもわからない噂が流れ、次第にパニックが大きくなっていったのである。なくなったものを見つけない限り、このままでは世界が滅び、みんな死んでしまうのではないかと。
彼等は誰かが正しいことを言っていると信じ込み、自分の力で考えるも何かを変えることも放棄した。その結果がこれだ。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!助けてください、助けてください、助けてくださいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「神様、神様、神様、神様」
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「もうだめだ、せかいはおわるんだ、だめだ、もうだめだ、だめだ、だめ、もうだめなんだ、せかいはおわるんだ」
「あははははははははははははは、どうせみんな死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬううううう!」
「助けて、助けて、誰か、誰か、誰か」
「ナンマイダブナンマイダブナンマイダブナンマイダブ……」
「嫌だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「助けてくれええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
広がる恐慌。
それらは、暴徒と化した人々が多大な犠牲を払って大統領を殴り殺し、傍にいた占い師を捕まえるまで続いたのだった。
僕は、人権団体の一人として、多くの人々の善意と悪意を見てきたつもりだった。しかし、まさかこれが真相だなんてどうして予想できただろう?
大統領に仕えてきた占い師。彼女はニコニコと笑って宣ったのである。
「すぐ傍で、人がパニックになって死ぬのが見たかったの。私の手を一切汚さずにね。最高のショーだったわ。……で、私はどうなるのかしら?私自身は一人も殺してないのよ。ただ大統領に占いの結果を伝えただけ。中には大統領関係なく自分達で殺し合った人もいるでしょう?なのに……私はどんな罪になるのかしら?」
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