ビアージョと記憶喪失

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 *** 『駄目じゃないの、ビアージョ。こんなことでバレちゃうなんて』 『すいやせん、姐さん。安心してくだせえ、他に誰もいませんでしたし、ちゃんと即始末したんで!』 『次から気をつけなさいよ。……ま、こんなことそうそう起きないとは思うけどね。地球人は馬鹿だから。表向きの姿や言動はコピーできても、記憶はそうそうコピーできない。……記憶喪失だーって言えば、みんな簡単に信じちゃうんですもの』 『そうっすねえ。まあ、この調子でどんどん成り代わっていきやしょ。テスト結果も上々。次は国の総理大臣とか、まあそのあたりで』 『わかってるわ。幹部の皆様も、直に……ね』  日本という国が真実に気づき、本当の意味でパニックになるのはこの半年後のことだった。
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