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「そろそろ、一歩先に踏み出してもいいかと思って」
一歩…って、その…キスの先って事だよな。
さすがにそこまでバカではないから、何となく分かる。
カノンも俺も男だし、興味がないわけではない。
でも、何処をどうすればいいのか分からない。
カノンが俺をジッと眺めていて、溶けてしまいそうなほど視線が熱い。
自然な動きで、唇に触れて口を開くと舌が触れ合う。
腰にカノンの手が触れただけで、身体が震える。
負けじと俺も、カノンを求めるように深く深く唇を重ね合わせた。
唇が離れると、お互いの瞳に自分が映る。
「本当にフォルテって、キス好きだよね」
「カノンだってそうだろ」
「…うん、好き」
カノンな耳を触られて、ぞくぞくと変な気持ちになり耳を掴んだ。
さらに顔に火が付いたように真っ赤になる。
カノンは付き合ったのも、誰かを好きになったのも俺が初めてだと言っていた。
初めて同士、この先どうするのか分からない。
キスはすぐに力が抜けてしまうから、俺がカノンをリード出来るのはこれしかない。
カノンをベッドに押し倒すと、不思議そうな顔をしていた。
俺だって、されるがままじゃないところを見せる。
「嫌だったら、ちゃんと言って」とカノンに言うと、嬉しそうに頷いていた。
カノンと唇を合わせて、服を脱がせてみる。
抵抗はしないから、大丈夫なんだよな。
そういえば、昔…カノンが力持ちで筋肉が付いているか触りたかった記憶を思い出した。
あの時は嫌がっていたけど、今は見せてくれるんだよな。
上着をはだけさせると、思ったよりもしっかり筋肉がある裸が見えた。
中性的で美しい顔だけど、身体はちゃんとした男の人だ。
ボーッと見つめていたら、カノンの声が聞こえた。
「私の身体、何処か変かな」
「ち、違う!綺麗だから、その…」
「フォルテ、こっちを向いて」
カノンに言われて、顔を上げると頬に触れてキスをしようと近付いた。
唇が触れ合う前に、視界が回ってベッドに押し倒された。
下から見るカノンも、また違って見えるなぁ。
はだけて見える身体を見ると、心臓がドキドキとうるさい。
俺の服のボタンを一つ一つ丁寧に外される。
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