好きだと伝わればいいのに。〜優斗サイド〜

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案の定、というのだろうか。蓮二から連絡は来なかった。元々、連絡をこまめにするのは優斗の方で、蓮二は気まぐれの、まるで猫のように連絡が来る。 そうした日々が何日か続いた。それでも夜になると、二人の時間が訪れる。 「いい?今日」 「いいけど」 それが二人の夜の合図だった。二人が身体を重ねる合図だ。 性急に服を脱ぐ。最初は腕を抜いて、首を抜いてと、少しずつ肌が見える感覚にドキドキしていたのだが、今はもうその楽しみは通り過ぎていた。 「あッ」 「これ、好きだよな?優斗」 言われ、羞恥で顔が赤く染まる。優斗はキスに弱かった。耳に首にと、どんどんと降ろされていく唇の感触に胸が高鳴る。特に肉厚の蓮二の唇は、触れられるだけで背筋がぞくぞくする快感を呼び起こす。 その快感に朦朧としていると、唇の感触が胸に移った。 「んうッ!はあ、ああッ…!」 思わず、嬌声が上がる。乳首をころころと舐められ、吸われる。それも優しく、まるでキャンディを転がしているように。 蓮二に抱かれ始めてもう数えきれないほどになる。優斗は蓮二に出会うまで、セックスを知らなかった。 というのも、優斗の性格のせいだろう。普段は快活で爽やかそうと、評判の優斗だが、恋愛になると殊更草食系男子になってしまっていた。 優斗は昔から自分がゲイだと認知していた。ゲイだということ自体、珍しくはないとわかっていても、自分が好きになる人がゲイだとはわからない。 つまり、怖かったのだ。ゲイじゃない人を好きになることが、その気持ちを打ち明けることが。 そのせいでいつも、尻込みしすぎて結果、何もできずに終わる。それが優斗の恋だった。 そんな優斗でもいいと受け入れてくれたのが、大学の頃の先輩だった。なのに、別れてしまった。優斗の罪悪感のせいで。 (恋を一方的なものにしなかった奴が、蓮二だったなんて) 卑屈だ。恋だと気が付いた時にはもう、セフレになっていたなんて―。
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