30人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあね、明日ね」
"コスプレチーム"のみんなと別れて1人で歩く夕暮れの道。
カタカナと専門用語ばっかりの会話、新鮮で楽しかったなぁ…明日本番が終わっちゃったら寂しくなるなぁ。
この先も、ずっと友達でいてくれたら良いな…。
「千尋‼︎」
え、今⁈
どうしよう…センチメンタルモード全開でまともに話せる気がしない。
「待てよ」
孝晴は振り返らない私を追い抜いて、前に回り込んで道を塞いだ。
「…」
「どうした…泣いてんのか?」
「泣いてないよ」
「……怒ってるか?」
「怒ってないよ」
孝晴の髪が夕日でキラキラ不思議な色に光って、まるで魔法にかかったみたいな気持ちになる。
さっきよりももっともっと切なさが増して何だかすごく「あぁ、好きだな…」って、そう思った。
「好きだよ」
…え?
いかんいかん、幻聴が聞こえてしまった…。
最初のコメントを投稿しよう!