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2件目
ともあれ、俺のフォローがあったことで彼の担当物件は順調に進み、目途も付いたので2件目の担当物件を任すこととなった。
今度は少し頭を使う事が必要な物件ではあるが、もう俺のフォローは無いと思って頑張って欲しいところだ。
俺はそう願って、担当物件の説明をしていた。
我がシステム営業部の業務は、一般的な営業行為だけではなく、客先とハードからソフトまでのシステム概要を予算を加味して使用を詰め提案書までを作成し客先の了承を得る。
そして、その後はエンジニアと共に要件定義書に詳細を落とし見積作成、契約と進むのが一般的な手順となる。
客先の担当者の中にはアバウトな希望のみだけで、全てを俺たちシステム営業に委ねる人もいる。
俺たちはそこを上手く聞き出し、過不足なく提案書に必要事項を盛り込まなければならない。それが出来なければ、後で追加見積が発生したり、不要な機能があったりでトラブルの元となってしまう。
相手次第でもあるが、彼がその辺りを上手く出来るかと言えば、正直言って無理に50ポイントと思っていた。
俺はそう思いながらも暫く様子を見ていたのだが、案の定客先から俺宛に電話が掛かって来てしまった。
彼を飛ばして一度挨拶に行っただけの俺に掛かって来たのだからその意味することろは良い事のはずがない。
聞いたところによると、なんと彼は通常は客先と打ち合わせの上で俺たちが作る提案書を、客先の担当者に一から作らせようとしていたのである。
電話の内容は、それに対する助けを求める改善のお願いであった。
普通はクレームとなるところである。ホント、やさしい担当者で良かった、俺は電話を受けながらそう思ったのである。
俺たちの業務の大事なポイントとして、客先の予算と希望納期を考慮し極力希望を叶えると言うのがある。彼はその大事な部分までもそっくりそのまま客先に投げてしまったことになる。
この件を彼に言わせると、必要なことは伝えているので、後は客先の問題だと言う。
俺から言わせれば、お前が自分の仕事を理解出来てないだろうと思ってしまう。
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