ミンガス小屋

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ミンガス小屋

 勘解由小路が乱暴に扉を開くと、極めて人相の悪い、強面のアフリカ系の男性が、葉巻を咥えてベースを抱えていた。 「――あ?何か、見たような絵面だが」  そこで、勘解由小路は嬉しそうな声を上げた。 「おおお?!何だ?!チャーリーじゃないか。何してんだここで?」  強面の男性が、青筋立ててがなった。 「チャールズだ!チャーリーと呼ぶな!このチーノ野郎!」  いたのは、チャールズ・ミンガスだった。 ミンガスは、チャーリーと呼ぶと怒る。 「黒人差別は嫌がるのに、アジアンヘイトは気にせんのだな?ところで、借金返せなくなったマイルスとフィリー・ジョー・ジョーンズ呼び出してアルバム作ったよな?ブルームーズな?あれ、何か、アローン・トゥゲザーヘロヘロになってたが。ミンガスのガスが抜けて、ミンになってたあれ。あれか?途中の休憩で、一服しようってなって、マリファナでも回したのか?ウッドマン辺りが」 「うるせえよ!ヘロヘロになってんのは味だ!いい加減にしろ!鉄拳食らえやチーノがああああああああ!」  とりあえず、島原達は逃げ出した。 「ミンガス小屋だったな。チャーリーって言ったのは不味かった。マネー・ジャングルのこととか、ファーガス知事の寓話とか、裏話聞きたかったんだが」 「真面目にやれ勘解由小路!関係者以外と会話はするな!ただでさえ時間がないというのに!」 「ああまあ、思った以上に消滅の力が強そうだし。次の扉に入ってみよう」  扉を開けると、 「ああ勘解由小路。島原まで、俺は何故ここに」  バタンと扉を閉めた。 「今のは、見なかったことにしよう」 「ミンガスの次は二階堂か!お前の城ってどうなっているんだ?!」 「それはともかくな?お前、右手見てみろ」  島原の右手が、半透明になっていた。 「ゲラゲラゲラ!ゴミ捨てやすいボディー!」 「笑うな!それより、お前も」 「あん?」  馬鹿の首が、ほぼ消えていた。
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