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1.自分が文学と信じるもの
「文学フリマ」とは、公式サイトを見ると「文学作品の展示即売会」とあります。出店者が「自分が〈文学〉と信じるもの」を自らの手で販売するイベントです。
全国8都市に事務局があり、東京、大阪、福岡、岩手、札幌、京都、広島、香川で定期的に開催されています。私が参加したのは「文学フリマ東京」。小説だけでなく、評論・研究、エッセイの出品も多くて、まさに文学イベントって感じ。ここでは「文学フリマ」を略して「文フリ」と呼ばせていただきましょう。
今回の東京開催は、配置スペ―ス数は2,000超。規模感としては、私が過去に参加したことのある「J.Garden」(オリジナルBLの同人誌即売会)の約2倍です。
そのうち私が属する「小説・BL」ジャンルの出店は48件。少ないように感じますが、それでも小説ジャンルのなかでは「エンタメ」「純文学」「ファンタジー」「短編」に次ぐ5番目の勢力。「ライトノベル」より多いのが意外でした。
今回、私が文フリに参加してみようと思った理由を少しお話ししましょう。J庭にも出たかったけど今年は日程が合わず、ほかにイベントを探していたというのもあるんだけど…。
私は「自分の作品はBLなのかな?」とずっと思っています。BLは漫画の市場が最も大きく、小説はそれに比べて小さめです。さらにそのなかでも自分の書くものは王道BLとはなんか違う。投稿サイトで主流のラノベでもない。じゃあ一般文芸か?と考えると、テーマはマイナーな「男どうしのあれこれ」……やっぱBLか…(最初に戻る)。
うぅ~ん…私の居場所はどこ???と思いながらも、「ジャンルはわからんが、とにかく好きなものをちゃんと書けるようになるのが先だ!」と雑念を振り払い、真面目に精進してまいりました。
そんなわけで昨年、ドキドキしながらJ庭に参加したとき、「一般文芸寄りのBL、大好きです」「樹さんの文章が好きです」と声をかけていただいて、それにどれだけ励まされたかわかりません。それならば、J庭に比べると文学カラー濃いめの文フリではどんな反応をもらえるかな…!?と新しい世界への興味もあり、思い切って参加することにしたんです。
結論から言いますと――。
「BLと一般文芸の境界領域、もっと盛り上げていきましょうね!」「私も同じことを思っていました!」など、各方面から熱いメッセージをいただいて、参加してよかったと心から思います。思うこと、感じることを言葉や文字にあらわすって、大変だけど大事なことですね。言葉や文字にして初めて人に伝わり、場合によっては共感してもらえるのですから。共感ってものすごいプラスのパワーを持っています。ああ、また頑張ろう!と思ってイベント参加を終えることができました。
次ページでは、私が文フリ初参加にあたって作った、押し強めの自己紹介ペーパーをご紹介します。よかったら見てね…
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