たちなさま。

　彼は自宅前の道路で倒れており、パニックになりながら足を血まみれでひっかいているのが発見されたといった形だった。発見された場所は、この病院がある町の隣町。Ａさんが見つかった町より一つ手前の町である。
　Ａさんも、すぐに亡くなることになる。死因はやっぱり出血多量。骨が見えるほど足を掻きむしっていたから、そのまま細菌に感染して多臓器不全を起こしたというのもあるのだが。
　いずれにせよ、パニックの原因はわからずじまい。近所の人は、夕方ゴミ出しに行ったところで彼と遭遇しており、その時は普通に挨拶してくれたと言っているらしい。独居老人だったがシルバー会にも入っており、いつもニコニコしていて穏やかな性格の人物だったようだ。そんな人が、一体何故。
　そして、それからも事件は続いたのである。

「ぎゃあああああああああああああああ、つぶす、つぶす、つぶすうううううううううううううううううううううううううううううう！うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう、たちなさま、ゆるして、ゆるしてええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ！」
「ああああああああああ、ああああああああああああああああああああああああああああ、があああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、ああああああああああああああああああああああああああああああ！」
「ｑ３０４うんｖ９「ｍ－ｃ４９，３－「ｑ！！ｖｑｍ５ｃｑ、５９ｃ２、ｃｑ４ｍ９ｃ０，９！４ｍ０３ｖｃ０９ｑ「０９ｖｃ５ｔｖｑんｍじｄｊふぉｗｈ９ｑぐ４ｔｇのｑれんｆｆろえｊｑｆりおｑｆりｑｇｆｒｈｇｒ！！」
「ギイイイイイイイイイイイイイイイ、イイイイイイイイイイイイイイイイイイイ！！」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……！」

　Ｃくん。
　隣町に住む、十一歳男児。アパートの階段で、右胸を掻きむしっていたそうな。
　Ｄちゃん。
　この病院と同じ町の、八歳の女児。ご飯を食べていたら急に右脇腹を掻きむしり、内臓を引っ張り出したという。
　Ｅさん。
　この病院から五百メートルくらい南にある花屋の店員で、三十八歳女性。顔の右側をがりがりとひっかき、右目を抉りだしていた。