7人が本棚に入れています
本棚に追加
3.帰国
半年後、昌輝が帰国する事になった。
これでやっと私も結婚できる。お式も出来る。そう思うと幸せの絶頂にいるような気分になった。
帰国の迎えにも、照れくさいから来なくていいと言われた。でも、私はサプライズで迎えに行く気満々だった。
どの便で帰って来るかは分からないけれど、その日一日LAからの便を待っていればどこかで昌輝と会えると信じて疑わなかった。
だから、私はその日一日空港のロビーで彼を待った。
でも、彼はどの便からも降りてこなかった……。
夜になって最終便が到着した後、私はひとりで帰路に就いていた。
何故、彼は今日空港に現れなかったんだろう。まさかトラブルで今日帰国できなくなったんだろうか? だとしたら何故連絡が来ないのか。
この半年間、やり取りもLINUの文章だけで、一度もビデオ通話すらしていない。時差があるからと通話も何もかも断られていたのだ。
「私の事を無視するの……? 酷くない……?」
私は涙を流しながら自宅へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!