第2話

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「カッコつけて過去形?現在もやろ?」 「ま、まぁ…昨日もちょっとあったしな」  享は足を止め、目の前の大衆居酒屋を指さした。 「ケイト。ちょっと飲んでいこうや。どうせ帰っても暇じゃろ」 「いいね。そう思ったとこ」  店内に入り、席に着くと、とりあえずビールだろと、ありきたりな台詞を吐きつつ、中ジョッキを飲み始める二人。 享は一口だけ飲み、ビールを流し込んでいる啓斗を見た。 「まだ店には出とるんじゃろ?」 言われてジョッキを置き、享を見る。 「うん?」 「リサのこと。続けてて大丈夫なんか?」  あぁ。その話ね。と啓斗は軽く頷いたが、考えるように遠くを見た。 串焼きを一口食べつつ、ビールを一口。啓斗の返事を待つ享。 「……仕事が好き言うとるんよ。だから辞めることはないと思う。それに、辞めろとか俺には言えんよ」 「そうか。でも、心配じゃないん?」 「何が?」 「いろんな男が毎日行くんで」 「あぁ。俺もお前も、その一人じゃね」 「リサは可愛いから、誘う奴もいるじゃろ?」 「知らんけど、まぁ大丈夫やろ。店長もいるし」 「ま、お前は、あかりさん公認じゃけ。リサも守られとるかな?」 「ま、それもあるけど、信じとるけぇな」 「何を?」 「そりゃ、全部」 「惚気かよ」 「ふはははは。妬くな妬くな」 「何が……妬くわけないじゃろが」 「てか、キョウは彼女いなくていいんか?」 「まぁ、欲しいっちゃ欲しいけど。今はおらんでえぇよ」 「何で?」 「一途にいきたいんよ。ケイトみたいに器用にできんし」 「ほ?」 「彼女とは別に、遊ぶだけの女とか作れんし……それなら彼女はおらん方がえぇ……な?絶対に今は、いらんじゃろ?」
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