第3話

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「洋風居酒屋のketaoの近く」 「あらら。凄い偶然。私、そこにいるわよ。来るでしょ?てか来な!」 「飲んでるの?」  すぐそこに、最強の助っ人とでもいうべき、あかりがいることで理沙は一気に不安が晴れた。 あかりが、今どうしているのかと聞く余裕も生まれていた。 「おん。飲んでる。けど、一人じゃなくて……トモカと一緒よ」 「友香さん?」 「そうよ」  お転婆という言葉が似あうあかりとは正反対の友香。 一言で表せば、冷静沈着。 同じように、二人とも夜の店で働くということは知っていたが、関係までは知らない理沙。 ただ、一緒にいるというのには驚き、それが理沙の声に出た。 「珍しい。一人じゃないなんて」 「たまたま、店の前で会ったから、情報交換も兼てよ」 「あ~。そういうこと」 「早く来な。待たせんなよ~」  理沙が店に入ると、空席は目立たないほどの混雑具合。 がっつりと夜型人間の集う店であることもあり、店内は昼と夜が逆転している。 「お、リサ。ここだよ」 友香が、店内に入ってきた理沙を見つけ、小さく手招きした。 「お久しぶりです友香さん。あの、あかりさんは?」 「ん」 飲みながら、化粧室の方を指差す友香。 「トイレですか……」  苦手ではないが、畏まってしまう。 あかりにはない、緊張感を少なからず纏う友香。 理沙が自分のことをどう感じているかを知っている友香は、いつもと変わらず、呟くように言う。 「とりあえず、座りなよ。何飲む?」 「あ、あの、えっと……」 何かを飲む気にはなれなかった。 理沙の心境を聞いていない友香は、自分のペースで絡む。 「久しぶりに顔見せんのに、遠慮すんなって。ほら、どれにする?」 友香は机の上のメニュー表を理沙の方に向ける。
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