第3話

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「違う!」  違うとは言ったが、全て噓ではない。心のどこかで、考えていなければ出てこないのが言葉だ。それは、違うと答えたあかりも分かっている。 「違わない。店が無事ならいいの?店を支えてるキャストは無視?」  尚も冷静に聞いてくる友香。その答えは、黙って聞いていた理沙も気になった。 「あかりさん?」 不安で押しつぶされそうな理沙の表情にハッとしたあかり。 こんな顔させては駄目だと思ったからではない。 「仕返しするって言ったでしょ」 理沙に言った言葉を、今度は友香に言った。 「それって?」 「アフターが変になっただけよ。売り飛ばすわけないでしょ。早とちりしないでよ。トモカは、たまに自分の解釈で決めちゃうから…」 「あ~。それな。ごめん」 「ま、今後は、アフターの仕方も今以上に念入りに考えるよ。リサの防衛能力 を過信した」 「ん。そうして」 「ま、あいつには、リサにした倍以上の仕返しをしとく」 「どんな?」 「女性不信になるくらいのすごいやつ」 「それって、二度と店に来なくなるんじゃ…」 「それはそれでもいいけど、奴には、安~~~~い香水でも渡してご機嫌とっとくわ」 「ん?なんで?」 「店の評判落とされたらかなわん」 「ん。あくまで客としてみてんだね」 「いや。客じゃなくて、金だね。あいつ金持ちだから」 「ふはっ!あんたらしいね。で、どうすんの?」 「私もハラワタ煮えくりかえってるからね……ダボハゼが」 「あいつの会社潰しちゃう?」 「いや。そこまでしない。あいつ個人の問題だもん」 「あかりさんも友香さんも、言ってること滅茶苦茶だけど大丈夫?」 あかりと友香は理沙の方を向き、声を揃えた。 「もう心配ないよ」 この後、店を出るまで、この話題で持ちきりになった。 韓国ドラマかと思うほどの復讐劇のシナリオが、あかりと友香さんによって生み出されていく。理沙は、これ、本当にやったらやばいなと思いながらも、口を挟むことなく、聞き入ってしまった。
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