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止めていた息を一気に吐きながら少し前進して別の岩陰に隠れる。
素早くボルトを操作。飛び出した薬莢が、照明弾に照らされキラリと光る。
次弾を装填。浅く息を吸い、間髪入れずにまた1発。
さらに息を吐きながら前に進む。
別の岩陰に入ってボルトを操作。排莢。装填。閉鎖。
軽く息を吸ってたたみかけるようにもう1発。
また息を吐きながら前進し、岩陰に入ってボルトを操作……
どのくらい繰り返しただろうか?
銃身がだんだん熱くなってきた。
機械的に撃ち続けているうち、またあたりが暗くなる。
ズン……
3度目のお腹に響く音。
同時に2対のヘッドライトがこちらに近付いてきた。どうやら、標的をこちらに切り替えたらしい。
まさに僕の狙い通り。
また大きな光球が現れた。幽鬼のようにゆぅらり揺れて、ふぅわりふわりと降りてくる。地上が明るくなると同時に、次々と銃弾が飛んで来た。
でも、射程外からの……しかも、激しく揺れるトラックの荷台からの射撃だ。ほとんどの銃弾はずっと手前で落ちている。
――いいぞ、こっちに来い。僕を殺したいんだろう?
その間に、救急車を……戦闘に巻き込まれてしまった人たちを安全な病院に運び込めれば、それでいい。
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