樫杖の蛇【16】イリム視点

7/7
前へ
/223ページ
次へ
 いきなり湧きあがった背後からの轟音に思わず手をとめた。  鋭い音が次々に大気を震わせる。その数6つ。  飛来したモノが突き刺さった次の瞬間、敵の車両が炎に包まれた。  1拍置いて起きた大爆発。炎が雪原を明々と照らし、すさまじい煙があたりを覆った。  ひっにりなしに続いていた銃声がぴたりと止む。  突然の出来事に頭の中が真っ白になりかけた時。  いくつもの小さな黒いものが、ころころとあたりに転がってきて、僕は咄嗟に握りしめていたものを放り投げ、腕で顔を覆って地に伏せた。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加