樫杖の蛇【17】グジム視点

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 車両が更に爆発して激しく燃え上がった。おそらく積んでいた弾薬に引火したのだろう。  炎に照らされ、いくつもの黒い人型が踊る。  敵は完全に浮足立っているようだ。  動きが停まっている相棒(イリム)を狙うことすら忘れて右往左往してる。  ならば、もっと混乱していただこうか。  ポーチから無造作に取り出した手榴弾を次々と投げ、両腕をかざして目を守る。  4秒後、爆発音とともに強烈な光が固くつぶった瞼ごしにも感じられた。  あちこちであがる叫び声。きっちり3秒数えて瞼を開けば、視界はわずかにちらつくものの、戦闘には何ら支障はなさそうだ。  よし、行ける。  左手の親指で愛銃のセレクトレバーをフルオートに切り替え、一気に引き金を絞ってぶっぱなす。  明々と燃える炎が照らす中、次々と倒れる黒い影。  きっかり3秒。全弾撃ち尽くすとポーチから予備の弾倉(マガジン)を左手で取り出し、空の弾倉を軽く引っ掛けて上にはね飛ばす。  そのまま装着してまた1連射。  また弾倉(マガジン)を交換して更に1連射。  自棄になった敵が狙いも定めず撃ちまくり、しまいには同士討ちが始まった。  閃光弾で視界を奪ったのが功を奏したのだろう。
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