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車両が更に爆発して激しく燃え上がった。おそらく積んでいた弾薬に引火したのだろう。
炎に照らされ、いくつもの黒い人型が踊る。
敵は完全に浮足立っているようだ。
動きが停まっている相棒を狙うことすら忘れて右往左往してる。
ならば、もっと混乱していただこうか。
ポーチから無造作に取り出した手榴弾を次々と投げ、両腕をかざして目を守る。
4秒後、爆発音とともに強烈な光が固くつぶった瞼ごしにも感じられた。
あちこちであがる叫び声。きっちり3秒数えて瞼を開けば、視界はわずかにちらつくものの、戦闘には何ら支障はなさそうだ。
よし、行ける。
左手の親指で愛銃のセレクトレバーをフルオートに切り替え、一気に引き金を絞ってぶっぱなす。
明々と燃える炎が照らす中、次々と倒れる黒い影。
きっかり3秒。全弾撃ち尽くすとポーチから予備の弾倉を左手で取り出し、空の弾倉を軽く引っ掛けて上にはね飛ばす。
そのまま装着してまた1連射。
また弾倉を交換して更に1連射。
自棄になった敵が狙いも定めず撃ちまくり、しまいには同士討ちが始まった。
閃光弾で視界を奪ったのが功を奏したのだろう。
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