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4 異国の地へ
それから、俺はリズールといることを選び、王宮を追放された。
王位を剥奪されるなど前代未聞の大事件だったせいか、俺は国民の好奇の目にさらされることになり、それに伴ってリズールと国外へ出た。
海を渡った先にあるシュリークという国では、アリステア王国とは逆に蛇を信仰する文化があり、蛇と共に人々が生活する姿は日常的にあった。
俺とリズールはそこで共に生活することにしながら、船の上から海を眺め、語らう。
「そういえば、アリステア王国にあるアヌーサの伝説は本当なのか?」
リズールは俺の腰に手を回したまま、首を振る。
「事実もありますが、正確には、大蛇を見つけたテス王がアヌーサを退治しようとし、逆に食い殺された、という話が俺達の間には伝わっています」
「そうか、当然の報いだな。蛇はこんなに優しく美しいというのに」
「ルベリー様はきっと、シュリークが生きやすいでしょうね。あそこは俺達の故郷でもありますし」
二人で共に海を眺めながら、遠い異国の地へ思いを馳せ、これからの生活に胸を躍らせた。
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