幼馴染と執着とクズ

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「お疲れ様でした」 「お疲れー少し帰ってシャワー浴びてまたすぐ戻ります」 「戻ってからまた編集作業行います」 「じゃ一旦失礼します」 大好きな新聞記者になって6年目 少しづつ記事の大きさも大きくなり 一面をかけるようになって来た その反面ほぼ家に帰れず 走り回ることも多くなったが、やっぱり 好きな仕事だけあって良い記事が書けたら それまでの辛さは、忘れてしまう 「何日家空けたって、、、3.4..5日まずいかも 何日も家に戻らないとわかればあの男また」 ガチャガチャ バン 目の前にほぼ裸の男女が今にもしそうな勢いで いちゃついてる 「ギャー何度言ったらわかるのよ 私の家はラブホじゃないのよ」 「ぎゃーもう出て行ってよ、最低ー」 喚き散らしながら そこに落ちてた服も全部玄関に放り投げてた 疲れた体は、今の出来事で完全に沈んだ お風呂はなぜかお湯が溜まっていて、 あの二人が使用したかと思ったが、使った痕跡がないから使う前かとボソッと呟きながら お風呂に浸かった 「さっきのがなかったら最高なにの」 「最悪なのよいつもいつも 人の家ラブホ替わりに使ってどーしようもない クズヤローだわ」 「リョウちゃん 酷いなぁーお風呂沸かしておいたのに クズヤローなんて、」 裸体のままで、扉を開けて入ってくるアキト 「アキト、、ギャー」 シャンプーを投げる 「何入って来てるのよ バカじゃないの!さっきの女とまだ人の家にいるの?」 「やだなーリョウちゃん ちゃんとさっきの女の子は返したよ」 「じゃあんたも自分の家に帰りなさいよ」 「イヤイヤ、リョウちゃん仕事明けだから また疲れてお風呂で寝るじゃん、それ防ぐのに こうして一緒にお風呂入って見てあげてるんだから意地悪言わないでよー」 「髪の毛とか洗ってあげようか?」 脱衣場からアキトが叫ぶ 突然ですが、 私からクズヤローとか言われたのが、 幼馴染のアキト23歳 実家が隣同士で昔っから親共々仲が良く 6歳年下だけど、いつも私の後を追いかけては、 離れなかった男の子だ でも中学に上がった途端 急激に背が伸び、どんどんイイ男になっていき 周りにはいつも女の子だらけで それでも私の部屋に入り浸りで、 成人して一人暮らしを始めたら うちの親に言われたとかでマンションの隣に引っ越して来た、 自分の部屋が汚いからとかで 私があまり家にいないことをいいことに 人の家をラブホ替わりに 使うどーしようもない、グズな幼馴染だ そんな最悪ヤローと本気で切れないのは ダメな初恋を拗らせてしまってるからで 今だに幼馴染という肩書きを手放せないでいる アキトは、顔色変えずに こうしてお風呂にも入ってこれるから 私のことなんて女としても見てないのかもしれないけど、 「もう上がるから大丈夫」 「それにすぐ会社戻るから どーせすぐ 新しい女の人呼ぶんでしょ」 「ベッド使われるのは本当にやだけど 使ったらシーツは取り替えてよね」 「、、、最低限、それくらいはしといて」 「ベッド使っていいの?」 「どうせ毎回使ってたんでしょ」 「何それ?」 怪訝そうに、聞き返してくる 前に一度取材の中抜けで 家に帰って来た時、寝室からアキトと女の人の声が聞こえた事があった もともとそのくらいのことしてそうだから そのまま家を出て、 それ以上聞きもしなかったけど 毎回違う女の人連れて、大学卒業後も何の仕事してるかも謎だの幼馴染 「私行くね」 「はい、 おにぎりだけでも持って行って、飯作ったけど その時間もないんでしょ」 「タッパに入れて冷凍しとくから 家に帰って来た時でも食べな」 「、、、うん」 「おにぎりありがとう」 こんな優しさなんて、今までの最低な行動からしたら微々たるものなのに、それなのに 嫌いになれない自分が情けない 「、、、いってきます」 ばか、アホ、、、スキ、、、やっぱりキライ リフレッシュできずに仕事場に戻る 「、、、いってらっしゃーい」 「、、、かわいそうなリョウちゃん」
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