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プロローグ
「おい、まじかよ!お前、女子大の子と付き合ってんのか?!」
「まじ?」
「どうやって知り合ったんだ?」
………。う、うるさい。どうでもいいだろ。僕はこれまでずっと、舐められてばかりだったんだ。背が低い、低いとか。笑顔が女々しいとか。この僕にでも彼女はできる。
僕はすぼみたくなる口を開け、応えた。
「べ、べつにいいだろ!」
僕は照れながら、そっぽを向く。
はぁ、ここにきみがいれば…。ぼくは、………。
「はい、講義始めますよ」
今日も僕の大学の講義が始まりを告げた。月曜日の一限。僕はその先生にキラキラと輝く目を向け、講義に挑む。
この講義、法政治学論の咲原先生には感謝でしかない。
「あー、くそ」
「あとで、教えろよ。奈地田」
「…教えねーよ」
よく絡む友人ら男に僕はボソッと言い返した。
ぼくのもんだからだれにも渡さねーよ。
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