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僕は、寝ぼけてたんだと思う。
吐く息が湯気のように白くふわりと消える。そんな凄く寒い日だったような気もする。
そうだ…ぽかりと開いた目の上の透き通った夜空に、星が落ちてきそうなほど溢れていて。あれが天の川だったと知るには、まだ子ども過ぎた僕。
それでも、その星空だけはずっとずっと移動しているトラックの荷台を追いかけてきて、何だかホッとしたのも覚えてる。
そばのお母ちゃんと姉ちゃんは、布団の間に身を硬くして潜んで、小さな白い息だけが漏れていた。
それが、僕にとって初めての引越しの景色だった。
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