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あっという間に再び警察学校に戻り、同期と久しぶりに机を並べて寮生活が再開した。 ちょっと見ない間に、実践とは恐ろしいもので国定と望月はもちろん、他の雄国班の皆んなの成長は目を見張るものだった。当然実戦実習結果も、この班がトップで折り返している。 これは負けられないと再び凌ぎを削る班仲間には、さらに揺るぎない結束が生まれるのを感じ、充実した日々を過ごしていた俺だった。 この3ヶ月の初任補習教養期間が終われば、またそれぞれ卒配された同じ所に戻る。再び新任巡査として交番の地域係を命じられ、実戦実習指導員について5ヶ月ほど指導を受けた後、初めて新採用時の研修が全て終わる。そこで初めて、一人前の警察官であると警察社会の中で認められるのだ。 同期と過ごすのも、この3ヶ月で終わりとなる。なので俺と国定だけでなく皆が横一線の熾烈な争いをしながらも、雄国班では互いを高め合う心地よいものとなった。 後で知ったが最終的に俺たちは、キャリア組を凌ぐ成果を上げてしまったらしく、卒業時には異例の警察上層部の面々が学校にわらわらと顔を出したらしい。 何とか国定を皮1枚の差で破り、トップ卒業となった俺だったが、今回はそれぞれの卒配先の名誉もかかっているので、浅草署で俺の担当指導員をして下さっている警部補の向田(むかいだ)さんだけでなく、所長の玉川警視正まで神輿を担ぐ喜び様だった。 そんな中に、あの忘れもしない焼鳥屋のアサシンの顔があったのだ!
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