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桜庭さんを褒めた私を見て。
「お前って、嫉妬とか無いわけ?」
そんな佐伯から視線を逸らし「シャワーしてくる」その場を立ち去った。
嫉妬なんてあるワケない。
だって私は佐伯に対して1ミリも、好きなんて感情を持ってないのだから。
私が佐伯を選んだのは”タクマ”という名前。
呼びたくても呼べなかった、その名前。
高校時代から、ずっと私の心の中にいる恋しい人。
神代 匠真と同じ名前だから、この関係を続けてるだけ。
佐伯に抱かれながら、目を閉じて「タクマ」と呼べば、神代くんに抱かれてる錯覚に陥れる。
だから、いつの桜庭さんには申し訳ない気持ちで一杯だ。
彼女には何の落ち度もないのだから。
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