65人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな事知らない美波は、眉を八の字のさせながら。
「一緒に行ってあげれれば、いいんだけど、子供がいるからなぁ」
「そこまでは望んでないよー、話聞いてくれるだけで十分だし」
「いや、実は私が見てみたいってのもあんだよね、綾音が、ずっと好きだった男なんて興味あるし」
「ちょっと、面白がってんでしょっ」
少しだけ罪悪感を抱きながらも、話を聞いてもらえるのが、こんなに楽しくて、背中を押してくれるものだなんて知らなかった。
「違うってー、…けどさ、うまくいくといいねっ、私は応援するよっ」
「うん…ありがとっ」
「綾音がさ、自分の恋愛の話してくれるの初めてだからさ、なんか嬉しい」
「うん…」
「私に出来ることがあったら、何でもするからねっ、言ってよー?」
私はコクンと頷き、高校時代の神代くんとの思い出を話ながら、美波とランチ時間ギリギリまでいた。
同じ日、同じ時間帯、同じ店に光月くんが居た事さえ気付かずに……。
最初のコメントを投稿しよう!