結婚

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そんな事知らない美波は、眉を八の字のさせながら。 「一緒に行ってあげれれば、いいんだけど、子供がいるからなぁ」 「そこまでは望んでないよー、話聞いてくれるだけで十分だし」 「いや、実は私が見てみたいってのもあんだよね、綾音が、ずっと好きだった男なんて興味あるし」 「ちょっと、面白がってんでしょっ」 少しだけ罪悪感を抱きながらも、話を聞いてもらえるのが、こんなに楽しくて、背中を押してくれるものだなんて知らなかった。 「違うってー、…けどさ、うまくいくといいねっ、私は応援するよっ」 「うん…ありがとっ」 「綾音がさ、自分の恋愛の話してくれるの初めてだからさ、なんか嬉しい」 「うん…」 「私に出来ることがあったら、何でもするからねっ、言ってよー?」 私はコクンと頷き、高校時代の神代くんとの思い出を話ながら、美波とランチ時間ギリギリまでいた。 同じ日、同じ時間帯、同じ店に光月くんが居た事さえ気付かずに……。
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