忘れえぬ想い

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一旦、足を止めて少し振り返ると 「えー、…?」 「俺、コウヅキ!光月 蛍!高校2年と3年同じクラスだったんだけど。覚えてない?」 私は脳をフル活動させて、高校時代のクラスをイメージした。 光月くん、クラスの中でも騒がしく目立ったグループにいた男子。 それでも分け隔てなく、誰とでも仲良くなっちゃうような…確か、そんな男子だった。 「光月くん…懐かしいね」 「あ、思い出してくれた?」 「うん、なんとなく」 少し照れくさくて”なんとなく”なんて答えたが、脳内では、しっかり思い出していた。 そんな私に「なんとなくかよー」なんて笑いながら距離を縮めてきた光月くんは、私の手にあるサンドイッチに目をやり。 「昼、そんだけ?足りんの?」 「まぁ、気合で」 「なんだそれっ、会社近いんなら、今度一緒に昼飯とかどう?」 「え、」 戸惑う私にスマホを向けてきて「交換しない?」どうやらメッセージアプリのID交換の事を言ってるようだ。
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