一方、現代の日本の日常一部は。

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一方、現代の日本の日常一部は。

*** 『━━ここまでが、岡本 延末の私物品から得た〈最新の情報〉です。社長』 「……そうか。分かったよ、宇宙。調査をありがとう。この後はこちらで処理するから、ゆっくり休みなさい」 『はーい!ありがとうございます』 「調査料の振り込みは、〈受け子〉がすぐにしてくれているから。十分後に、確認してくれれば大丈夫だからね。悪かったねぇ、急の頼みなのに急がせてしまって……」 『いえいえ〜。こちらの事は気にしないでくださいよ、社長。僕たち神龍時家は、他の十二支より迅速にシゴトを処理できますので。いつでも、いつでも!お気軽にご依頼ください☆』  パソコンの画面越しから報告受けた彼は、リモート会議を退出し、電源を落とす。  そして、テーブルの上に置かれているパソコンを閉じ、こちらへ視線を移した。 「━━と、いう事らしいんだ。ここからは、引き継いでやってほしい。お願いできるかな?耀、咲」  先ほどの柔らかみのある声色から、ガラリと冷たい重圧に一変する。  部下から社長と言われ、親しまれている細身の青年。ーー〈公主〉。  平安時代から存在している厄祓い組織、厄除師の(おさ)である。  陶器のような色白に中性的な顔立ちの彼。猫っ毛のような癖毛と橙色寄りの茶髪が、窓から差し込む太陽の光で艶のある髪質に天使の輪ができている。  見た目だけだと、十代後半、十七、十八くらい公主。向かい側の二人がけ用の北欧ソファーに腰かけている二人に問いかける。  緩やかな空気が死に、張り詰めた空間に変わった今。羊谷 耀と犬塚 咲も合わせて、思考内をシゴトモードに即切り替える。 「社長、私は大丈夫ですよ!その為にイタリアから戻って来ましたので問題無いです」   「あ、私もですぅ!社長。耀ちゃんより精一杯、頑張りますぅ〜〜!!」  真剣な眼差しで不敵な笑みを浮かべる耀。これまで過酷なシゴトをこなしてきた彼女。  自信に満ちた透き通った勇ましい声が静寂な室内に響く。  そんな耀に負けじと続けて、右手を高く挙げキラキラとしたアイドルスマイルでアピールする咲。  相変わらずの独特なイラつく喋り方と、媚を売るような甘ったるいソプラノ調の声色が、隣で座っている耀の耳から脳が貫く。  同じ女として、嫌悪感のボルテージがグンッ、と上がった今。鳥肌が立ってしまい、(全細胞が腐りそうだ)と心底思ってしまった。 (学生時代から変わらずね……、コイツ。早くこの案件を〈ペアのシゴトを〉終わらせて、この媚入り犬とおサラバしなきゃ。そうしないと……) ーーーー私の精神衛生面(メンタル)が、保たないッッーー!  心の中で、強く決意した瞬間だった。
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