第三章

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朝、国語科研究室でジャンプを読んでいると、古典の竹山先生が話しかけてきた。 「お、それ今週のジャンプ?」 「おーよ。」 「ったく変わんねえよなー。お前さ、高校生時代もジャンプを片手に歩いてたもんな。」 「お前も変わってねえよな。そうやって昔を掘り返すとこ。」 竹山先生は、一見物凄くチャラい容姿で、軽い男に見られがちだが、これでもなかなか頭はいいらしい。 ついでに言えば俺の同級生だ。 「ってかさ、俺担任持ってんじゃん?」 「そうだね。うん、それがどうした?」 「高3のAなの、担任がね?で、桃瀬ってやつがいるんだけど。」 「グハッ・・・ゴホッゴホッ」 「おい、大丈夫か?」 オレンジジュースを盛大にむせた俺だが、続けろと目で合図する。 「で、桃瀬さ、K大の推薦もらってんだわ。秋に面接受けるらしい。」 「ふ~ん。で?」 「いや、ふ~んじゃなくて!お前驚かねえの?!あの桃瀬がK大だぞ?!」 「うん、すごいんじゃない?っていうかその話俺知ってるし。」 「え、お前職員会議寝てんじゃん。」 「桃瀬から報告されたんだよ。小論文書かずに済みましたっていう。」 「あー、そういう系ね・・・・ってHRの時間じゃねえか。じゃ、またな!昼飯食おうぜ‼」 バタバタとでていった同僚を眺めながら、ため息を付いた。
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