第二章

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 アノ日から、一週間がたった。 クラスメートにはもちろん、友人たちにもソレを隠して過ごす毎日。 幸い、血を吐いたりなんかはしないように気休め程度の薬をもらった。 窓の外を眺めた。 放課後の教室は、がらんとしていて、美しい。 数日前の私なら友達と終礼が終わったら一番に教室を飛び出したんだろうけど、今日は目的があった。 わざわざこんな暗い教室に一人残らなければならない理由が。 廊下から、コツ、コツ、と靴の音がする。 胸が苦しく、ドキドキした。 ついに私の教室の前でその足音が止まった。 ガラリと言う音とともに現れたのは、現国の教師、青木馨先生だった。 アンニュイな雰囲気で、肩幅が広く、色白で、スーツをやや着崩している、優しい顔立ちの先生は、私の顔を見て、唖然としていた。 私はそんなマヌケ顔の先生に駆け寄って言った。
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