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我が家最大の危機!
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
突然上がった妻の悲鳴。何が起きたのかと思えば、リビングで彼女が尻餅をついている。
目の前には、粉々に砕け散った皿。どうやら彼女が落としてしまったらしい。どうせ安物だ、そんなことはどうでもいいが、彼女が怪我をしていないかどうかが気がかりだ。
「美香、大丈夫か?怪我は?」
「だ、大丈夫。で、でも、あなたっ……!」
ほぼパニック状態の彼女は、震えながら窓を指さす。恐怖に引きつった顔、声。彼女が指さす方を見て、私は凍り付いた。
一体彼女が何に怯えたのか、それを知ってしまったからだ。
「お父さん、どうしたの?」
「親父?おくろー?」
奥の部屋から女子大学生の長女と、男子高校生の長男が出てくる。私は思わず叫んでいた。
「だ、駄目だ二人とも!来るな、来るんじゃない!」
「え」
時すでに遅し。
リビングまで来てしまった二人は、それぞれか細い悲鳴を上げることとなった。どちらも気づいてしまったからだ、窓に何があるのかを。
ああ、どうすればいい。
このままでは、我が家はおしまいだ。
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