カムイ

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カムイ

カリンを抱きしめたりキスしたいと思ってから 異常に意識し過ぎて眠れなかった 何もしないで隣に寝れる自信がない だから朝あんな事言ってしまった 不安そうに見つめるカリンが 可哀想で自分から言ったのに後悔した 「ごめん、カリン」 カリンが家を出た後寝れなかった分 一眠りしようとベッドに潜り込む なかなか寝付けなくてスマホ見てると カリンの店のオーナーから連絡が 慌てて電話をとる 「カリンは本当に大丈夫ですか? 無理なら迎えに行きます」 電話の向こうで 「カリン、大丈夫そうだけど今日は、 新規の客も多いから、いつも通り帰りの迎えは、 お願いしたいなぁ」 「わかりました、早めに行きます」 電話切った後、ライブハウスで話してたことが 浮かんできた 俺の知らないとこでカリンは 人気があって俺が思うようにカリンを 可愛いとか綺麗とか思ってる奴がいる 俺以外に打ち解けられないと思っていたけど、 イベント1日目で見たカリンは、接客も一生懸命で苦手な笑顔も頑張ってて、それがまた可愛くて あんなカリンを見てたら 俺以外にもカリンを本気で好きになる奴はいる 血の気が引くようにビビった 今まではカリンの中で俺が一番だと思ってるが 未来は、わからない もっと多くの人に出会うカリンが、俺以外に惚れないとは限らない 俺に惚れてるとか周りが言うから 安心して、タイミングだとかごちゃごちゃ言って 先延ばしにしてたら、いつの間にか俺の元からいなくなってたりして悠長にしてられない 気持ちが焦る 地元から連れ出した時に 気持ちは決まっていた カリンが好きだ 自分にもカリンにも もう待つのはやめよう その後も眠れないままライブハウスに向かった
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